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NVCの共感のやり方とは?4要素の基本ステップをわかりやすく解説します


「忙しさに追われて、気づけば家族にも職場にもピリピリしてしまう」。そんな自分を責めた経験はないでしょうか。


NVC(共感的コミュニケーション)は「簡単」と言われることも多いですが、実際には多くの誤解がつきものです。本記事では、自己共感の本当のやり方や「共感=優しさ」という思い込み、感情とニーズの切り分け方まで、日常やビジネスの現場で生かせるヒントをわかりやすく解説します。



<目次>

■NVCで語られる自己共感のやり方は本当にシンプルなのか

・「シンプル」と感じる人と難しいと感じる人の違い

・コツは“正しさ”より“気づき”を大切にすること

・日常で自然に使っている瞬間がある


■「共感=優しさ」ではない?よくある誤解

・共感は気持ちを「わかろう」とする姿勢

・自分の感情を押し殺すことが共感ではない

・相手に対する共感より先に自分に対する共感が大切

・優しさだけではなく、時に本音や違和感も伝える


■NVCが大切にする“Feeling”と“Needs”の仕組み

・感情(Feeling)は心のセンサー

・ニーズ(Needs)は本当に大切にしたい願い

・感情とニーズを切り分けて見つめる意味

・すべての行動は何かのニーズを満たすための試み


■ジャッジメントが共感を妨げる理由

・「〜すべき」「当たり前」が心の動きを止める

・善悪や評価が感情とニーズを見えなくする

・ジャッジメントを手放すことで本音(ニーズ)に近づける


■自己共感ワークで気づく心の動き

・嫌だった出来事を思い出してみる

・その時に言ったセリフを思い出す

・その時の感情を丁寧に言葉にしてみる

・満たしたかったニーズを探してみる


■家族や職場でNVCを活かすためのヒント

・自分のニーズを手放さないことが一番重要

・自分の本音もやさしく伝えてみる

・相手の感情やニーズに耳を傾けてみる

・うまくいかない時は「気づき直し」を大切にする

・小さな一歩から始めてみる


■共感的コミュニケーションの第一歩を今日から始めてみませんか



NVCで語られる自己共感のやり方は本当にシンプルなのか



NVC(非暴力コミュニケーション)で語られる「自己共感」の方法は、理論としては「自分の気持ちや必要としていることに目を向けるだけ」と、とてもシンプルに映ることがあります。ただ、その“シンプルさ”が実際の生活や人間関係の中でどれほど実感しやすいかは、人によって大きく違うようです。


「考え方を変えればすぐできる」というものでもなく、時には「思っていたより難しい」と感じてしまう瞬間も。


ここでは、NVCの自己共感がなぜ“簡単”とも“難しい”とも言われるのか、その違いを丁寧に見ていきます。


そして、どうすれば無理なく日常に取り入れていけるのか、コツやヒントを探っていきます。



「シンプル」と感じる人と難しいと感じる人の違い


自己共感が「シンプル」と感じられる人もいれば、「どうやっても難しい」と感じてしまう人もいます。その違いは、単に考え方や性格の問題だけではありません。


たとえば、普段から自分の気持ちに気づく習慣がある人や、心の声を抑え込まずにいられる環境で育った人は、NVCの「自分の感情やニーズに目を向ける」というステップが自然にできることが多いようです。


一方で、家庭や職場などで「こうあるべき」「我慢が美徳」と言われて育った人や、忙しさの中で自分を置き去りにしてきた経験が多い人は、自分の気持ちを感じること自体がハードルになることも。つまり、NVCの自己共感は「仕組み自体はシンプル」でも、「慣れ」や「環境」によって難しさが変わるのです。



コツは“正しさ”より“気づき”を大切にすること


自己共感のプロセスを実践するとき、つい「正しいやり方」「うまくやらなくては」と構えてしまいがちです。


しかし、NVCでは「正解通りにやる」ことよりも、

「今の自分にどんな気持ちがあるか」

「どんな願いが隠れているか」

に気づくことが何より大切です。


たとえば、

「怒ってはいけない」

「もっとポジティブにならないと」

といった判断や評価が入ると、自分の本音から遠ざかってしまうことがあります。


むしろ

「今はイライラしているみたい」

「本当は休みたかったんだな」

と、どんな気持ちでもただ認めてあげること。

それが自己共感の要です。


やり方の“正しさ”より、今ここにある自分のリアルな感覚に寄り添うことが、自然と心を整える一歩になります。



日常で自然に使っている瞬間がある


「自己共感」と聞くと、特別な練習やワークが必要だと思いがちですが、実は私たちは無意識のうちに日常生活の中で自己共感の要素を使っていることがあります。


たとえば、「今日はなんだか疲れているから早く寝よう」「この作業、気が乗らないな」と自分の感覚に従って行動を変えた経験はありませんか? 


こうした小さな“気づき”や“自分へのいたわり”こそが、NVCの自己共感の入り口です。


特別な言葉や手順にこだわりすぎず、「自分の気持ちや体の声に耳を澄ませる」という感覚を意識してみるだけで、日常の中に自己共感の実践が自然に溶け込んでいくのだと私は感じています。




「共感=優しさ」ではない?よくある誤解



「共感的コミュニケーション=優しさ」というイメージは、多くの人が持ちやすい誤解のひとつです。


NVC(非暴力コミュニケーション)で語られる共感は、単に相手を傷つけない言葉を選ぶことや、親切に振る舞うことだけを指していません。


実は、共感とは“相手の感情や願いを理解しようとする姿勢”そのもの。ときには自分の本音や違和感も大切にする必要があり、優しさだけで成り立つものではないのです。


この章では、「共感」と「優しさ」の違いについて、よくある思い込みをほどきながら、NVCの視点から具体的に考えていきます



共感とは?

✕ 優しさ

✕ 相手を傷つけない言葉を選ぶ

✕ 親切に振る舞うことだけ

○ “相手の感情や願いを理解しようとする姿勢”そのもの

○ 自分の本音や違和感も大切にする必要がある ○ 優しさだけで成り立つものではない


共感は気持ちを「わかろう」とする姿勢


共感とは、相手がいまどんな気持ちなのか、どんな願いを持っているのかを“わかろう”と意識を向ける姿勢です。


たとえば、部下がプレゼンで失敗して落ち込んでいるとき、「大丈夫だよ」と励ますよりも、「今、どんな気持ち?」と、その人の内側にある感情にそっと寄り添うことが共感です。


ここで大切なのは、自分の正しさやアドバイスを押し付けず、ただ「あなたは今こう感じているんだね」と心を開いて受け止めること。その瞬間、相手の心に小さな安心感が生まれることもあります。



自分の感情を押し殺すことが共感ではない


「相手に共感しなきゃ」と思うあまり、自分の感じているイライラや不満を無理に押し殺してしまうことはありませんか?NVCでは、これは“共感”とは呼びません。


本当は疲れていたり、納得できない気持ちがあるのに、それを見ないふりをすると、内側にモヤモヤが溜まってしまうものです。自分の気持ちも大切なサイン。


共感は「自分を犠牲にして相手に合わせること」ではなく、まず自分の内側にも丁寧に目を向けることから始まります。



相手に対する共感より先に自分に対する共感が大切


NVCの大きな特徴は、「まずは自分自身の気持ちや願いに気づくこと」を重視している点です。家族や職場の誰かに共感しようとするとき、つい「相手のために」と頑張りすぎてしまうことも。


でも、自分の中の疲れや苛立ち、寂しさを見ないふりをしていると、どこかで限界がきてしまいます。自分の心の動きに気づき、「私は今、こう感じているんだ」と認めることで、初めて本当の意味で他者にも優しくなれます。


自己共感があってこそ、相手への共感も無理なく自然に生まれるのです



優しさだけではなく、時に本音や違和感も伝える


共感=優しさ、というイメージを持っていると、「嫌なことも我慢して受け入れるのが正しい」と思いがちです。しかし、NVCでは違和感や本音も大切なコミュニケーションの一部。


たとえば、チームの決定に納得できないとき、「私は少し引っかかる部分がある」と素直に伝えることも共感の一環です。やさしさだけに偏ると、自分の心を置き去りにしてしまう危険があります


本音を出すことは、関係を壊すどころか、むしろお互いの信頼や理解を深めるきっかけになる。NVCが大事にしているのは、表面的な優しさよりも、誠実な対話を積み重ねることなのです。




NVCが大切にする“Feeling”と“Needs”の仕組み



NVC(非暴力コミュニケーション)を実践しようとするとき、最初に出てくるのが「感情(Feeling)」と「ニーズ(Needs)」の考え方です。


どちらも、私たちの心の動きや行動を理解するための大切な手がかりになります。ただ、言葉だけを知っていても、実際に自分の中で“何がFeelingで、何がNeedsなのか”をはっきり切り分けて感じられる人は意外と多くありません。


ここでは、それぞれの意味や役割、そして両者を見分けることがなぜ大事なのかについて、私自身の体験も交えながらお伝えします。



感情(Feeling)は心のセンサー


感情は、日々の出来事や人との関わりの中で自然と湧き上がってくるものです。イライラ、安心、悲しさ、嬉しさ――こうした気持ちは、心のセンサーのような働きをしています。たとえば、仕事で思うように進まないことが続くと「焦り」や「苛立ち」が湧くことがありますよね。


その感情は、実は自分の中に「もっと効率よく仕事を進めたい」とか「ストレスを減らして安全にいたい」といった大切な願いがあることを教えてくれる合図なのです。つまり、Feelingは“今、自分の心がどんな状態なのか”を知らせる信号の役割を持っています。


▼ポジティブFeelingリスト(抜粋)

愛・つながり

愛情

思いやり

親しみ

信頼

慈悲

優しい

喜び・感謝

幸福感

喜び

感謝

感動

幸せ

晴れ晴れした

意欲・情熱

好奇心

興味

わくわく

熱中

情熱

期待

力・自己肯定

自信

活力

楽観

達成感

熱心

やる気のある

安心・安定

安心

平安

落ち着き

受容

明晰

ゆるぎない

回復・解放

満足

解放感

爽快感

爽やか

活気

すっきり


▼ネガティブFeelingリスト(抜粋)

怖れ

恐怖

不安

心配

緊張

危惧

不信感

悲しみ

失望

絶望

落ちこみ

不幸

傷ついた

ピリピリ

怒り

怒り

反感

嫌悪感

憎しみ

イライラ

いきり立つ

混乱

混乱

動揺

ショック

屈辱

恥ずかしい

ギクッとする

消耗

疲労

後悔

無力感

屈辱感

ストレス

燃え尽き感

孤立

孤独

疎外感

冷淡

無感動

無関心

引っ込み思案の



ニーズ(Needs)は本当に大切にしたい願い


ニーズは、「こうありたい」「これが必要だ」と心から望んでいることです。たとえば、「自分の意見を認めてほしい」「安心できる時間がほしい」「家族と穏やかに過ごしたい」など、誰にでも共通する“根っこの願い”がニーズにあたります。


日々忙しく働いていると、どうしても目の前のタスクや人間関係のやり取りに気を取られがちですが、その奥には必ず「本当はこうなりたい」という想いが隠れています。自分が何を大切にしたいのかを見つめることは、単に“ワガママを通す”ということではなく、自分の心の健康や人との信頼関係を育てるうえで欠かせない土台です。


▼Needsリスト(抜粋)

愛・つながり

つながり

受け入れ

所属

親密さ

仲間

相互理解・関係性

協力

共感

尊重

理解

信頼

支え

安心・安定

安心

安全

安定

平和

共生

誠実さ

喜び・生命感

遊び

喜び

身体的幸福

休息

楽しみ

ユーモア

成長・実現

意味

成長

学び

貢献

自己実現

希望

自由・自己決定

自由

自主性

選択

独立

余裕

自発性




感情とニーズを切り分けて見つめる意味


感情とニーズを区別することは、NVCを実践するうえでとても重要なポイントです。なぜなら、感情(Feeling)は「今の状態」を教えてくれるからです。その感情の奥には「どんなニーズが満たされていないのか/満たされているのか」という“理由”が必ずあります。


たとえば、子どもに注意したときに「イライラした」と感じたら、その裏側に「家の中を整えたい」「ゆっくり休みたい」といったニーズがあるかもしれません。


FeelingとNeedsを混同したままだと、ただ怒ったり落ち込んだりするだけで終わってしまいますが、両者を意識して見分けることで「私は何を求めているのか?」という本当の気持ちに気づくことができるのです。




すべての行動は何かのニーズを満たすための試み


NVCの根底には、「人はみな、それぞれのニーズを満たそうとして行動している」という考え方があります。たとえば、相手に強い口調になってしまうときも、その行動の奥には「自分の頑張りを認めてほしい」「安心して任せたい」といった願いがあるかもしれません。


逆に、無理をしてでも仕事を引き受けてしまうのは、「信頼されたい」「役に立ちたい」というニーズが働いていることが多いものです。この視点を持つことで、自分自身や周りの人への見方が少し変わってきます。


どんな行動も、その奥にある“満たしたい願い”を丁寧に見つめることで、責めたり責められたりする関係から抜け出しやすくなります。




ジャッジメントが共感を妨げる理由



人との関わりや、組織の中で生まれる“共感”の流れが止まってしまうとき、その背景には「こうあるべき」「普通はこうだ」といった“ジャッジメント”があることが多いものです。NVC(非暴力コミュニケーション)では、心の奥にある感情や本当の願い(ニーズ)を大切にしますが、ジャッジメントという決めつけが強く働くと、その心の動きに気づくことすら難しくなります。


この章では、なぜ“ジャッジメント”が共感の妨げになるのかを、日常の具体的な場面や心のメカニズムに沿ってひも解いていきます。



「〜すべき」「当たり前」が心の動きを止める


「◯◯すべき」「それが当然だ」といった言葉は、小さな頃から親や周囲に繰り返し教えられてきたものです。


たとえば「リーダーならこうしなきゃ」「お母さんは家事も仕事も完璧に」という期待や、「男の子は泣かないほうがいい」「上司なら弱音を吐かない」という決めつけ。


こうした“当たり前”が頭の中にあると、本来感じているはずのイライラや疲れ、悲しさや助けてほしい気持ちを、無意識に押し込めてしまいます。結果として、心の声が聞こえなくなり、共感の回路が閉じてしまうのです。どれだけ感性や直感を大切にしている人でも、この“べき論”に知らずに縛られていることが多いのではないでしょうか。



善悪や評価が感情とニーズを見えなくする


「これは正しい」「あの人は間違っている」という評価や、「そんなの常識だよね」といった判断のクセが働くと、自分や相手の感情やニーズが見えづらくなります


たとえば「部下が指示に従わなかった=悪い」というラベルを貼ることで、その人がなぜそうしたのか、どんな思いがあったのかを想像する余地がなくなってしまう。


自分自身にも「私はダメな親だ」「まだ努力が足りない」と評価を下すことで、本当は「休みたい」「認めてほしい」といった心の願いに気づけなくなります。ジャッジメントの陰に隠れてしまっている感情やニーズに目を向けることが、共感の第一歩なのです。



ジャッジメントを手放すことで本音(ニーズ)に近づける


「こうでなければならない」「これが正解だ」という思い込みを少し脇に置いてみると、心の奥にある本音がふっと顔を出します。たとえば「家族にもっと協力してもらいたい」「自分の時間を大切にしたい」「チームの安心感を守りたい」といった、肩書きや役割の外側にある本当の願い。


NVCでは、“正しさ”や“べき論”を横に置き、自分や相手が何を感じ、何を大切にしたいのかに意識を向けていきます。ジャッジメントを手放す練習は、最初は少し勇気がいるかもしれません。ただ、そこで立ち止まってみることで、思いがけない安心や、深い共感につながることが少なくありません。




自己共感ワークで気づく心の動き



自己共感のワークは、日々の忙しさやプレッシャーの中で置き去りにしがちな「自分の心の動き」に、そっと光を当てるための時間です。経営や家庭、どちらの現場でも私たちは“役割”や“べき論”に追われて、本当は何を感じていたのか、何を大切にしたかったのか、見えなくなることが少なくありません。


NVC心理学では「すべての行動は、何かのニーズを満たすための試み」と考えます。つまり、どんな感情も、自分が本当に大切にしたい願いから生まれているのです。


この章では、4つのステップを通じて、自分の心の奥に潜んでいる「気づき」に触れていきます。


ワークを体験すると、「自分の気持ちを言葉にできない」「なぜこの出来事がこんなに引っかかるのか分からない」といったモヤモヤも、少しずつ整理されていきます。どれも簡単な問いかけですが、実際にやってみると想像以上に自分の本音やニーズが見えてくるものです。


今、心の整理や人間関係での行き詰まりを感じている方こそ、“正しさ”よりも“気づき”を大切にしながら、このワークを一緒に試してみませんか。自分自身の心の動きに触れることは、次の一歩をやさしく後押ししてくれます。気軽にご相談いただくことで、安心して継続できるサポートもご紹介できますので、もし「もう少し話してみたい」と思った方はいつでもご連絡ください。



嫌だった出来事を思い出してみる


まずは、最近あった「嫌だな」と感じた出来事を一つ、そっと思い出してみてください。大きな事件でなくて構いません。たとえば、仕事から帰った時に子供部屋が散らかっていた場面や、会議で自分の意見が通らなかった瞬間など、日常のほんの些細なズレや違和感で十分です。


ここで大切なのは、「これくらいで気にするのはおかしいのでは?」と自分を否定しないこと。どんな小さな出来事でも、その時の心がどう動いたのかを大切にする姿勢が、自己共感の第一歩です。




その時に言ったセリフを思い出す


次に、その場面で自分が言った言葉や、口に出せなかったけれど心の中で浮かんだフレーズを挙げてみましょう。たとえば「早く片付けなさい」と子どもに言ったり、「なんで私ばっかり…」と内心でつぶやいていたかもしれません。


もし無言だった場合も、その沈黙の中にあった“思い”を書き出してみるのがおすすめです。自分の発した(もしくは浮かんだ)セリフを改めて見つめることで、当時の自分の立場や考え方が少しずつ見えてきます。



その時の感情を丁寧に言葉にしてみる


次は、その出来事の最中にどんな感情が湧いていたかを探ります。「怒り」「苛立ち」「がっかり」「悲しみ」「無力感」など、できるだけ具体的な言葉で表現してみましょう。もし感情がいくつも浮かぶ場合は、特に強く感じたものを一つ選んでみても構いません。


NVCでは、感情は心の“センサー”のようなものと考えます。嬉しさや怒りが生まれるのは、何か大切な願いが満たされたり、逆に満たされなかった時。自分の本心を丁寧にすくい上げることで、モヤモヤの正体が少しずつ輪郭を持ってきます。


満たしたかったニーズを探してみる


最後に、その時の自分が「本当は何を大切にしたかったのか」「どんな願いが叶わずにいたのか」を探してみます。たとえば、部屋が散らかっていた時なら「整理整頓された空間で安心したい」「効率よく過ごしたい」といったニーズが隠れているかもしれません。


誰もがそれぞれ大切にしたい願い(ニーズ)を持っており、そのニーズが満たされない時にネガティブな感情が生まれます。このプロセスを経ることで、「なぜあの時あんなにイライラしたのか」「自分にとって何が大切だったのか」が見えてきます。こうした気づきが増えるほど、自分の内側に優しさや安心感が戻ってきやすくなります。




家族や職場でNVCを活かすためのヒント



家族や職場といった日常の現場でNVC(非暴力コミュニケーション)を取り入れると、「わかってほしい」「伝わらない」といったすれ違いが少しずつ和らいでいきます。NVCでは、相手の話をただ聞くだけでなく、自分自身の内側にある願いや感情にも目を向けることを大切にします。


そのうえで、やり方や正解を求めるよりも、ひとつひとつのやりとりの中で「いま自分はなにを大切にしているだろう」「相手はどんな気持ちでいるんだろう」という“気づき”を重ねていくことがポイントです。


ここからは、家庭や職場で実際にNVCを活かしたいときに役立つヒントを紹介します。


自分のニーズを手放さないことが一番重要


NVCを実践するうえで、まず意識したいのは「自分のニーズ」を見失わないことです。日々忙しく働いていると、家族や部下の期待、世間の“こうするべき”という無言のプレッシャーに流され、自分が本当に大切にしたい願いが後回しになりがちです。


でも、誰もが「こうしたい」「こうあってほしい」と感じる根っこの部分(ニーズ)を持っています。NVCでは、そのニーズを押し殺したり、あきらめたりせず、「今どんなことを大切にしたがっているのか?」と自分自身に問いかけることが第一歩です。


「会社のために」「家族のために」と頑張るのは素晴らしいですが、自分の願いを見過ごしてしまうと、どこかで疲れやイライラが溜まってきます。自分のニーズを認めてあげることで、相手とのやりとりにも無理が生まれにくくなります。




自分の本音もやさしく伝えてみる


相手の気持ちを思いやるだけではなく、自分の正直な感情や考えもやさしい言葉で伝えてみることが大切です。


NVCでは、「本当はこう感じている」「今はこうしたい」といった率直な思いを、相手を責めたり攻撃したりせずに表現することを目指します。


たとえば、家族のことでモヤモヤしたとき、「私は今、こういう気持ちでいるよ」と自分の感情をそっと打ち明けてみる。職場でも、納得いかないことがあったら、「自分としてはこう考えている」と、相手を否定せずに自分の立場を伝えてみる。


こうしたやりとりは、自分自身にも誠実でいられるうえ、相手も「本音で向き合ってくれている」と感じやすくなります



相手の感情やニーズに耳を傾けてみる


NVCの核になるのが、「相手の感情やニーズに耳を傾ける」姿勢です。たとえば、家族が不機嫌だったり、職場で誰かがイライラしている場面では、「なぜそんな態度なの?」とつい反応したくなるものです。


でも、そこで一呼吸おいて、「この人はいま、どんな思いを抱えているんだろう?」と想像してみることが、共感のスタートになります。


お子さんやパートナーであれば、「もしかして疲れているのかな」「何か心配ごとがあるのかな」と耳を傾ける。職場でも、「何か困っていることがあるのかもしれない」と受け止めてみる。


相手の内側にある「本当に大切にしたいこと」に意識を向けることで、対立や誤解が和らぐことがあります。



うまくいかない時は「気づき直し」を大切にする


NVCを取り入れようと思っても、毎回うまくいくとは限りません。つい感情的になったり、過去のパターンに引っ張られてしまうこともあります。


そんな時は、「またダメだった」と責めるのではなく、「あ、いま自分はどんな気持ちだったんだろう」「本当は何を大切にしたかったんだろう」と、立ち止まって気づき直してみることが大切です。


NVCの考え方では、行動が変わる前にまず「自分の内側の気づき」が起きることを重視します。うまくできなかった経験も、「次はこうしてみよう」と新たなヒントに変えていけます。


完璧を目指さず、気づき直しを積み重ねることでNVCは少しずつ自分のものになっていきます



小さな一歩から始めてみる


NVCを家族や職場で実践しようとすると、「ちゃんとやらなきゃ」「全部自分でコントロールしなきゃ」と気負ってしまうことがあります。でも、本当に大切なのは、できる範囲から小さく始めることです。


たとえば、「今日は娘と10分だけ静かに話をしてみる」「会議の前に自分の気持ちを確認してみる」など、無理なくできることを一つ選んでみる。


NVCは特別なスキルやテクニックではなく、日常のささいな場面で「自分や相手の気持ちに気づく」ことから始まります。今日できる小さな一歩に目を向けてみることが、やがて大きな変化につながっていきます




共感的コミュニケーションの第一歩を今日から始めてみませんか



忙しさの中で、家族や仲間との会話がつい「効率」や「正しさ」に偏ることはないでしょうか。私自身も、仕事や家庭で心の余裕を持てず、本当の気持ちを飲み込んでしまう瞬間が何度もありました。


けれど、NVC(非暴力コミュニケーション)を学ぶなかで、「今ここ」の自分や相手にそっと目を向ける。そんな小さな選択が、関係性や空気をやわらかく変えていくことを実感しています。


共感的なコミュニケーションは、「完璧にできるようになる」ことがゴールではありません。むしろ、日々の生活の中で「気づけた」「ちょっと立ち止まれた」という小さな一歩が、とても大きな意味を持つのだと感じます。


家族でのすれ違いも、職場の摩擦も、「お互い何を大切にしていたのか」に目を向けてみることで、少しずつ新しい答えが見えてくる。そんな体験を、私自身も何度も繰り返してきました。


もし今、「うまくいかない」「本音が言えない」と感じている方がいたら、それはあなたが弱いからでも、努力不足だからでもありません。むしろ、現代社会のスピードや役割の重圧が、私たちから“心の余白”を奪っているだけかもしれません。


だからこそ、今日からほんの少し、共感的なコミュニケーションを意識してみませんか。難しい技術を覚える必要はありません。まずは自分の気持ちや願いに、やさしく目を向けることから始めてみてください。


私も、日々葛藤しながら歩んでいます。一緒に、共感の小さな一歩を積み重ねていきませんか

もし「どう始めたらいいかわからない」「自分の状況で取り入れられるのか迷っている」と感じたら、お気軽にご相談ください。あなたの歩みにそっと寄り添える存在でありたいと願っています。





この記事を書いた人

ガネーシャ尾上

合同会社セブンクローバーギルド代表

尾上 貴亮  Takafusa Onoue

静岡県出身東京在住で二児の父親

マインドフルネスコーチ、ITコンサルタント

世界初のRYS・心のヨガ専校THE HEART OF SOUND卒業

日本人初の男性 "心のヨガトレーナー"


ガネーシャ尾上 / ビジネスマンのためのマインドフルネス☘️

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